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HALILON

COLUMNコラム

COLUMN 01

【ホワイトニングで歯は溶ける?】ホワイトニングの機序と安全性について

「ホワイトニングは歯が溶けるときいたのでしない」というお声をききました👀

今回はホワイトニングのメカニズム、安全性をお伝えします💡

歯の構造

まず、歯の形から。歯は外側のエナメル質と、内側の象牙質からなります。成分はおおきく無機物と有機物からなります。

・無機物=ミネラル、ハイドロキシアパタイトというカルシウムやリンの結晶。

・有機物=タンパク質、コラーゲン。

ざっくりいうと、無機物=固い、有機物=やわらかい物質です。

エナメル質と象牙質では組成が異なります。エナメル質は約97%がハイドロキシアパタイト、コラーゲンは約3%。一方で象牙質は約70%がハイドロキシアパタイトで、コラーゲンは約30%です。

歯の色

歯の色が気になる、といっても正確には【歯の表面のステイン】か【歯の内側の黄ばみ】なのか、意外とあいまいな方も多いです。

・歯の表面のステイン

日常の飲食でコーヒーや紅茶でつくグレー調の部分的な着色。これは歯のクリーニングだけで落とすことができます。

意外と知られていないのが、日常の歯磨きで必要なのはステインを落とすことよりも、「ステインが付きにくい歯に育てる」ことです。ステインが付きやすい人は、エナメル質表面のミネラルがはがれおちて、ガサガサしているので着色が入り込みやすい。

日常的にはハイドロキシアパタイトやフッ素入りのペーストをうがいで流し切らず、トリートメントのように使うのが有効的です。

・歯の内側の黄ばみ

歯の黄色みは、歯の内側の象牙質内のコラーゲンの色です

象牙質=70%ミネラル+30%コラーゲン

歯の黄色みはもともとの歯の色で肌の色と近く、黄色みが強くみえるかどうかは個人差が大きいです。

一般的には若年者はもともと黄色みが少なく、年齢とともに外側のエナメル質が薄くなるのとコラーゲンが増えていくので黄色みが増していくといわれています。

ホワイトニングの仕組み

医療ホワイトニングで一般的に使われる薬剤は【過酸化水素】で、有機物に酸化反応を起こすことで色素を漂白します。

有機物の黄色みの原因は、炭素原子が連なった大きな炭素化合物が光を吸収している状態。炭素化合物の二重結合を切ることで発色団が分解され、光を吸収しない小さい分子に変化することで、漂白がおこります。

つまり、ホワイトニングによる変化はおもに過酸化水素と【有機物=コラーゲン】との反応です。

歯は酸によって溶ける

一方で、無機物であるミネラル=ハイドロキシアパタイトは酸によって溶けます。口腔内のpHが5.5を下回ると、カルシウムやリン酸などが溶けだす=【脱灰】がおこります

おもな酸の原因は

・虫歯の細菌(S.ミュータンス)が糖を代謝して産生される酸

・酸性の強い飲み物

・医薬品です。

ただし、歯のミネラルは酸で一度とけだしても、唾液の中のミネラル成分で再石灰化が起こります。目には見えませんが、歯は皮膚のターンオーバーのようにずっと脱灰と再石灰化を繰り返しています。

この脱灰のスピードが、再石灰化のスピードを超えてしまうと歯に穴があいてしまい、【むし歯】の状態です。

つまり、

・【歯が溶ける】という現象はミクロのレベルでは糖質をとるたびにつねに起こっている

・再石灰化とのバランスがとれれば健康上支障はない

というのが本当のところです。

ホワイトニングと歯のダメージの研究

結論からいうと、ホワイトニング剤の過酸化水素により、ミクロ(顕微鏡)レベルで歯が溶ける=脱灰は生じます。

クリニック内で行う【オフィスホワイトニング】で使用される過酸化水素濃度は20~35%。もっとも高濃度な35%ホワイトニング製剤でpHが3.67 と報告され(2)、一時的な脱灰のリスクはあります。しかし時間経過し酸素が抜けるのと同時に酸性の元である水素イオン濃度が下がり中性(pH 7付近)へと近づくため、ホワイトニングを行っているあいだずっと脱灰が起こっているわけではありません。また近年はpH調整剤を含むホワイトニング剤や、過酸化水素の濃度を抑えたホワイトニング剤も多く開発されており、脱灰のリスクは最小限に抑えられています。

考えるべきなのはこの過酸化水素による脱灰が、虫歯のような元に戻らない病的な状態を作ってしまうか?です。

ホワイトニング後に、歯の一部が白く浮いたような色になる【ホワイトスポット】が現れることがあります。これが、過酸化水素によってミネラルが溶けだした状態です。しかしながら、ホワイトスポットが生じても数日後には目立たなくなることがほとんどです。つまり、ちょっとした【歯が溶ける】現象が起きたとしても唾液中のミネラルで補完され、穴があくレベルに進行していくことはありません。

そもそも、日常の食事で脱灰⇔再石灰化は繰り返されており、このバランスを維持することが理想的な状態です。食事のたびに脱灰が怖くて、歯磨きせずに寝落ち、なんてことは人生で一度もしたことがない人にとってはホワイトニングは不安かもしれませんが、ごく一部だと思います。実際の臨床ではホワイトニングすることで歯を綺麗にすることが楽しくなり、結果的に虫歯を予防できている患者さんがたくさんいらっしゃいます。あくまで個人の経験ではありますが、院長・國分は10年以上定期的ホワイトニングしていますがむし歯の治療は一度もしていません。

ホワイトニング≒髪の毛のブリーチ

ホワイトニング前後は歯の再石灰化を促進するケアが大切。当院では歯のミネラル成分・ハイドロキシアパタイト入りペーストを使用し、再石灰化を促進しながらホワイニングを行い、処置後にも艶感を感じていただけます。ホームケアにはマウスリンスもご用意しています。

髪の毛のブリーチも、まったくダメージがないわけではなく、前後のトリートメントが大事ですよね?

補修しながら白くて艶っぽい歯を目指しましょう✨

1.Carey CM. Tooth whitening: what we now know. J Evid Based Dent Pract. 2014 Jun;14 Suppl:70-6. doi: 10.1016/j.jebdp.2014.02.006. Epub 2014 Feb 13. PMID: 24929591; PMCID: PMC4058574.

2.Price RB, Sedarous M, Hiltz GS. The pH of tooth-whitening products. J Can Dent Assoc. 2000 Sep;66(8):421-6. PMID: 11040525.

3.Müller-Heupt, L.K.; Wiesmann-Imilowski, N.; Kaya, S.; Schumann, S.; Steiger, M.; Bjelopavlovic, M.; Deschner, J.; Al-Nawas, B.; Lehmann, K.M. Effectiveness and Safety of Over-the-Counter Tooth-Whitening Agents Compared to Hydrogen Peroxide In Vitro. Int. J. Mol. Sci. 2023, 24, 1956.

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