COLUMNコラム
COLUMN 03
”歯科医院提携セルフホワイトニング”とは?歯科医院のホワイトニングとの違い
最近インスタグラムの広告などで最近見かける"歯科医院提携セルフホワイトニング"と歯科医院のホワイトニングについて解説します。
"歯科医院提携セルフホワイトニング”とは?
まず一般的なセルフホワイトニングと歯科医院提携セルフホワイトニングの違いを説明します。
セルフホワイトニング=非医療用薬剤
お手頃な料金のイメージがあるセルフホワイトニングは①自分で薬剤を塗る②スタッフの方がライトをあててホワイトニングを行います。使用する薬剤はポリリン酸など非医療用成分で歯の表面のステインをおとすことを目的としています。効能は歯の表面であるエナメル質への作用にとどまります(*1)。ポリリン酸はコーヒーや紅茶などでつく表面の着色はいくらか軽減する作用がありますが、歯の内部の「黄色み」を漂白することはできません。
“歯科医院提携セルフホワイトニングサロン”=歯科医師が処方する医療用薬剤
歯科医院提携セルフホワイトニングのKOBEホワイトニングのHPを参照しました。薬剤は過酸化尿素ジェルを使用します。過酸化尿素ジェルは歯科医院ではおもにホームホワイトニングの薬剤として歯科医師から処方されます。”歯科医院提携サロン”では①オンラインで患者に歯科医師がホームホワイトニング剤を処方②セルフで塗る、ライトを照射します。
本来自宅で行うホームホワイトニングをマウスピースを使用せず、ライトで反応を促進して時短で行う、とも表現できます。
“歯科医院提携セルフホワイトニングサロン”と歯科医院でのホワイトニングの薬剤の違い
過酸化水素と過酸化尿素
歯科医院で使用するホワイトニング剤は1.オフィスホワイトニングで使用する過酸化水素(H₂O₂)と2.ホームホワイトニングで使用する過酸化尿素(𝐶𝐻4𝑁2𝑂⋅𝐻2𝑂2) に分かれます。オフィスホワイトニングで一般的な35%過酸化水素水は強い漂白作用をもち劇物していされています。ただし35%過酸化水素水は空気、温度、光で分解される不安定な薬剤です。
過酸化尿素は過酸化水素に尿素を配合し、未開封時に常温でも安定しています。過酸化尿素に含まれる過酸化水素濃度は全体の約1/3といわれています。例えばホームホワイトニング剤で一般的な10%過酸化尿素は約3.3%の過酸化水素をふくみます。
30%過酸化尿素ジェル=過酸化水素濃度約10%
神戸ホワイトニングのHPを参照すると『35%過酸化尿素ジェルを使用』と書いてありました。過酸化水素濃度に換算すると30÷3で約10%です。薬剤の濃度は歯科医院のオフィスホワイトニング(院内で施術、ライトを使用)とホームホワイトニング(自宅でマウスピースを使用)のちょうど中間くらいといえます。
“歯科医院提携セルフホワイトニング薬剤”と“歯科医院のホワイトニング薬剤(オフィスホワイトニング)”の比較
歯科医院でのオフィスホワイトニング剤の過酸化水素濃度は25〜35%です。当院では痛みを抑えるために約25%過酸化水素薬剤を使用しており、Tionやホワイトエッセンスなどと同程度です。つまりと歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは”歯科医院提携セルフホワイトニング”の約2〜3倍の過酸化水素濃度の薬剤を使用します。
“歯科医院提携セルフホワイトニング”はオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの中間の立ち位置といえるでしょう。
“歯科医院提携セルフホワイトニングサロン”と歯科医院でのホワイトニングの効果=時間の違い
一般的に過酸化水素を用いるホワイトニングの効果と痛みのでやすさは「濃度」と「時間」が関係します。濃度が高いほど、使用時間が長いほど白くなりますが、その分痛みもでやすくなります(*2)。
“歯科医院提携セルフホワイトニングサロン”は歯科医院の2倍の時間がかかると予測される
歯科医院提携サロンの過酸化水素濃度は歯科医院のオフィスホワイトニング薬剤の少なくとも1/2(半分)です。過酸化水素の濃度が低いとおなじ白さをだすのに長い時間を要します。白さ=濃度✕時間とするならば、濃度が半分の場合は2倍の時間がかかると予測されます。とくにオフィスホワイトニングをしたことがない人は薬剤が浸透しにくいので白さを実感するまでに時間がかかる可能性が高いです。
“歯科医院提携セルフホワイトニング”のメリット
- ●どうしても痛みが怖い、時間はかかってもいい
- ●一度医療ホワイトニングで白くして後戻りが気になる
- ●できる限り安いほうがいい
できるだけ安く痛みのないホワイトニングをしたい方には向いていると思われます。
歯科医院でのオフィスホワイトニング(当院)のメリット
- ●はじめての方でも白さを実感しやすい
- ●時短で白くなる
- ●クリーニングも一緒に行える、歯科医師が施術を行うので楽
ホワイトニングはじめての方、時短、クリーニングや薬剤塗布もやってもらいたい方には当院のホワイトニングがおすすめです。
★比較表
“歯科医院提携セルフホワイトニング”(KOBEホワイトニング参照) | 歯科医院でのオフィスホワイトニング(当院) | |
|---|---|---|
30%過酸化尿素 | 使用薬剤 | 35%過酸化水素&PAP+ |
約10% | 歯へ塗布時の過酸化水素濃度 | 約25% |
45分 | 施術時間 | 60〜75分(照射回数による) |
1~2周間に一回 | ホワイトニング未経験者におすすめの通院頻度 | 月に1回 |
月に1回 | メンテナンス | 2〜3ヶ月に1回 |
3000〜4000円 | 施術1回の料金 | 11000〜14300円(照射回数による) |
セルフホワイトニングは着色除去のみで黄ばみを漂白することはできませんが、”歯科医院提セルフホワイトニング"では白さの効果を期待できます。より時短で行いたい方には歯科医院でのオフィスホワイトニングがおすすめです。自分にあったホワイトニングを選びましょう♪
参考文献
- Alshehri A, Almutairi B, Jurado CA, Afrashtehfar KI, Albarrak S, Alharbi A, Alenazi A, Nurrohman H, Alshabib A. Biomimetic Whitening Effect of Polyphosphate-Bleaching Agents on Dental Enamel. Biomimetics (Basel). 2022 Oct 29;7(4):183. doi: 10.3390/biomimetics7040183. PMID: 36412711; PMCID: PMC9680262.
- Carey CM. Tooth whitening: what we now know. J Evid Based Dent Pract. 2014 Jun;14 Suppl:70-6. doi: 10.1016/j.jebdp.2014.02.006. Epub 2014 Feb 13. PMID: 24929591; PMCID: PMC4058574.
ACCESSアクセス
〒105-0011
東京都港区芝公園2-3-9
荒井ビル4階
MEDICAL HOURS診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:30~20:00 | ● | / | ● | / | ● | ▲ | ▲ |
▲:第2日曜日、第3土曜日は休診です



